「祝う必要ない」 北部訓練場返還式典 海外識者が声明


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米国やオーストラリアなど海外の識者や市民運動家22人は17日、名護市で予定される米軍北部訓練場の過半の返還に伴う式典に対し「祝うことなどない」と題する共同声明を出した。声明は翁長雄志知事が東村高江周辺でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設を止めるために、効果的な行動を起こさなかったと批判し「返還が周辺地域の軍事強化につながる限りは何も祝うことを見いださない」と強調した。

 共同声明を出したのはオーストラリア国立大のガバン・マコーマック名誉教授、国際平和ビューロー副会長のジョセフ・ガーソン氏、元米陸軍大佐で外交官も務めたアン・ライト氏ら。
 声明は日米両政府によるヘリパッド建設強行を批判し、市民らによる反対運動を支持すると表明。オスプレイ墜落事故で「沖縄の人々は危険性への恐怖感を新たにしている」と指摘した。
 県、県議会に対しても機動隊による実力行使を阻止するための効果的な対策を講じなかったと批判した。
 声明はオバマ大統領、安倍晋三首相、翁長雄志知事、新里米吉県議会議長宛て。