「米軍狙いテロ」とデマ被害 アフガン出身男性「出身で判断しないで」


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 「ISの支持者だ」などとSNSで拡散されたアフガニスタン出身のアフマド・ミラドさん(30)=沖縄市=が24日、本紙のインタビューに応じた。ミラドさんは「事実無根でショックだ。アフガニスタン出身というだけで判断しないでほしい」と語った。一問一答は次の通り。

―ISの支持者か。

 「ISとは何の関係もなく、接触もない。アフガニスタンの戦争が激しく、1998年にパキスタンに避難して以降、18年間故郷に戻っていない」

―テロを計画していると顔写真が拡散されたことを知った経緯は。

 「朝、同じボクシングジムに通う平良典之さんから電話をもらって知った。昨日、米軍の警察から『アラハビーチでナイフを持っていなかったか』だとか、『基地の近くやアメリカンビレッジに来ないでほしい』などと言われた。日本に来て7年、沖縄に来て2年たつが初めてのことだ」

―今の気持ちは。

 「SNSで拡散が止まらないのではないかと不安だ。沖縄は小さいのですぐ広まってしまう。アフガニスタンに残る家族もこれから沖縄に呼ぼうと思っていたが家族への影響も心配になってきた」
 「沖縄の人は優しく、街も安全だと思っている。中古車販売の商売もうまくいっているが、これからどうしたらいいか分からない」

―言いたいことは。

 「フェイスブックのメッセージで見ず知らずの米国人から『自爆テロは自分の国でやれ』というメッセージが来た。ツイッターでは自分の知らない人が話を広めていた。本の表紙を見ただけで内容まで判断しないように、自分たちも見た目やアフガニスタン出身というだけで判断しないでほしい。一度でも会って、話して、それから判断してほしい」

(聞き手・清水柚里)