沖縄県、自転車利用促進へ 渋滞緩和、観光創出に期待


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レンタル自転車に乗る翁長雄志知事=2016年11月、台北市

 沖縄県は全国一深刻な沖縄の道路渋滞対策と新たな観光資源の創出を目指し、自転車の利用促進を進めている。2016年12月には県を中心に沖縄観光コンベンションビューロー、41市町村などが連携し自転車利用環境創出について情報共有する「サイクリングコネクトセッション」も始動した。自転車活用推進法が可決され、エコな移動手段として自転車が注目される中、自転車普及率・保有台数ともに全国最下位で「日本一、自転車に縁がない」沖縄がどう変化していくか注目が集まる。

 10年に行われた国勢調査によると、通勤・通学時の移動手段を自家用車と回答した県民は64・6%だったのに比べ、自転車利用者は3・6%にとどまる。また、自転車保有台数を人口で割った自転車普及率は全国平均が54%なのに比べ、沖縄は約17%。県は県民が自転車に乗らない理由を「利用の機会が少ないことに加え、交通ルールを知らない」ことにあると分析し、自転車教室やポタリング(自転車での地域散策)の開催で、まず自転車に親しんでもらおうと考えている。

 16年は台北市など台湾で普及しているレンタル自転車「ユーバイク」の運営会社社長と翁長雄志知事の面談も行われており、今後レンタル自転車での二次交通なども県は検討していくとみられる。