曽祖父の旅券→世界のウチナーンチュ大会→北中城の親戚に会えた


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親族と対面したハワイの県系4世のシャーリー・ヒガさん(前列中央)と北中城村喜舎場に住む安里繁雄さん(同左)=4日、安里さん宅

 【北中城】ハワイの県系4世のシャーリー・ヒガさん(31)はこのほど、北中城村喜舎場に住む親族、安里繁雄さん(86)と対面した。県内の親族を捜す手掛かりはハワイに移住した曽祖父で1世の比嘉昌栄さんのパスポートしかなく、シャーリーさんは「見つかるとは思っていなかった」と笑顔を見せた。

 2016年10月28日に北中城村中央公民館で開かれた「世界のキタナカグスクンチュ歓迎合同祝賀会」に、シャーリーさんが、父で県系3世のデリックさん(64)と参加して村関係者に親族を捜していると伝えたことがきっかけで、ルーツを発見した。

 決め手は安里さんの父で、昌栄さんの兄に当たる昌亀さんがハワイで撮った写真。繁雄さんが「誰か分からない」と語る写真に写っていたのが、子どものころのデリックさんだった。

 ハワイに親戚がいるとは思っていなかったという繁雄さんだが、兄・昌繁さんから聞いた話を思い出した。鉄血勤皇隊として沖縄戦に従軍した兄は戦争犯罪者としてハワイへ送られる。そこへ昌栄さんが兄を訪ねてきたという。

シャーリーさん(左)のスマートフォンに映るハワイの親族に手を振る安里繁雄さん

 デリックさんは2007年から、自分のルーツを調べようとハワイ大学に協力を依頼していた。約10年に及ぶルーツ捜し。2年後に沖縄に訪れる予定だ。デリックさんは「見つかったと聞いて、すごくうれしかった。会えたら一緒に買い物に行きたい」と喜ぶ。繁雄さんも「歓迎して、ルーツである喜舎場区を案内したい」と待ちわびる。

 嘉手納基地に所属する夫と一緒に沖縄に住むシャーリーさんは「家で祖母がサーターアンダギーを作ったり、父と三線教室に行ったりしていた。私には沖縄の血が入っている」と語る。

 ハワイで暮らすデリックさんとテレビ電話を通じて、照れくさそうに手を振る繁雄さん。家族の絆が沖縄とハワイをつないだ。

英文へ→Relatives in Hawaii and Okinawa united thanks to old passport and Worldwide Uchinanchu Festival