レキサス、一貫開発へ 装着型無線機「withB」


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レキサスとブレイブリッジが共同開発する「withB」の装着イメージ

 システム開発のレキサス(うるま市、比屋根隆社長)は、無線技術やハードウエア設計に強みを持つブレイブリッジ(福岡市、吉田剛社長)と提携し、体に装着して通話する野外専用無線機「withB(ウィズビー)」の共同開発を進めている。レキサスが機体から製品開発を手掛けるのは初めて。IoT(モノのインターネット)分野への本格参入に向け、ハードウエアの設計・製造ノウハウを蓄積する狙いがある。

 「withB」は名刺サイズの箱形をした通話機器で、防水機能も付いている。通信方式はコードレス電話の規格を採用し、親機と子機の間で通話する仕組み。腕時計のように手首に巻いたり、リュックサックの肩掛け部分に取り付けたりして携帯し、動作もワンタッチで相手機につながる手軽さを特徴とする。

 機器同士の距離が300メートル程度離れても通話ができ、子機を複数登録すれば5機まで同時に会話することができる。今年12月の発売を目標に、もう一段の軽量化や最終的な機体デザインを詰めている。

IoTサービスの提供に向けた取り組み方針を説明するレキサスの大西敬吾イノベーションチームマネジャー(左)と安田陽さん=琉球新報社

 レキサスの新規事業を担当する大西敬吾執行役員イノベーションチームマネジャーは「IoT時代に新しい体験を提案するには、これまでは別分野だったハードウエアからウェブ、クラウドまでを一貫して設計する力が必要とされている。ソフトウエアの会社のレキサスが、本気でハードウエアを始めることを発信していきたい」と語る。

 子どもの水難事故や迷子を防ぐシステムとして開発が始まった「withB」。見守りだけでなく、スマホを携帯しづらい水辺のレジャーでの活用や、トライアスロンチームが動きを止めることなく互いに連絡を取り合う使い方などを想定し、野外での新しいコミュニケーション体験が提供できると意気込む。

 大西さんは「クラウド環境につながっていないので、厳密にはIoTではない。しかし、いずれネットやスマホと連動させることで、ウエラブル端末として用途が広がる」と語った。