那覇市小禄の泉原地域では、手作りの100円昼食を集まった人たちで食べる「おしゃべりサロンゆんたくどころ」が好評だ。孤立する地域住民をなくそうと、上原苗子さん(78)ら有志が企画運営する。毎月第3日曜日の昼食会には、泉原自治会事務所にたくさんの笑顔がはじける。
泉原地域には80歳以上の住民が110人以上いるが、実際に地域の老人会「わんから会」の活動に積極的に参加するのは20人ほど。1人暮らしの高齢者も多く、特に男性が引きこもりがちになることが課題だった。
そこで上原さんが「無料だと気を使うので100円。ご飯を食べるだけだと参加しやすい」と100円昼食会を提案した。2015年8月から始めて、毎月欠かさず実施している。
参加者数は平均で30人ほどだが、わんから会の催しには来ない高齢者や1人暮らしのお年寄りのほか、自治会に入っていない若い人や親子など、さまざまな人たちが集うようになった。
料理は上原さんを中心に女性たちが力を合わせて献立を考える。クーブイリチーやサラダ、中味汁など、沖縄料理を中心に野菜をたっぷり使った健康食を提供する。
昨年12月も、泉原自治会事務所には昼食を食べに住民が集まった。「元気ねぇ。髪染めたらもっとちゅらかーぎーなるよ」。久しぶりに来た住民に上原さんが声を掛ける。1人暮らしの名城政美さん(80)は「1人だからご飯は適当に済ませてしまうことが多い。ここでは近況報告もできてうれしい」と笑顔を見せた。
比嘉騏一郎さん(78)は「普段は見えない人も来る。とてもいい取り組みだ」と喜ぶ。住民らの笑顔に囲まれた上原さんは「これからも続けていきたい」と顔をほころばせた。(田吹遥子)