麺も味も沖縄で有名・人気どころのお店と変わりない。それどころか、それ以上の「本格沖縄そば」が、「ラーメン ラボ」でこのほど、ニューヨークで若者や観光客に人気のノリータ地区にお目見えした。北風が吹く夜の寒さにも負けじと店の前に並ぶニューヨーカーたちの姿がまた、人を呼び込む。
「ラーメン ラボ・サン ヌードル キッチン」と称するラーメン実験工房は1981年に夘木栄人(うきひでひと)氏がハワイで創業したサン製麺工場。いまや米西海岸カリフォルニア州ロスアンゼルスの他、東部ニュージャージー州にも工場が開設されるなど、拠点を広げている。
東部進出をきっかけに、副社長を務める息子の健士郎さん(30)が2014年、ニューヨークに「ラーメン ラボ」を開店した。ニューヨーカーの食文化の中にラーメンを広めたいと夢を描く夘木親子。日本各地からひと月ごとに、えり抜きのラーメン店を紹介する。つゆに合わせて厳密に工場で麺を作るという。
「ラーメン ラボ」は立ち食い式で12人程度で満席となる。しかも午後5時から10時まで夕方から夜のみの営業で、何とも大胆な企画だ。仕事帰りの若者たちがグループでゆっくり語りながら夕食を取る通念も覆し「ラーメンの味」を紹介することに専念する。
母親はウチナーンチュで、料理人だ。沖縄で本格的に沖縄そばの修業を積んだベテラン。開店前にはハワイから母親が来て味も確認した。完璧な沖縄そばとオリオンビールが飲める。
(比嘉良治ニューヨーク通信員)