【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】ジョン・ボルトン元米国連大使は、17日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で「米国は台湾への軍事装備販売を増やし、米軍の台湾駐留によって東アジアの軍事力を強化できる」と述べ、在沖米軍の一部を台湾に移転することを提案した。タカ派として知られるボルトン氏は一時、トランプ次期政権の国務長官候補の一人と報じられ、現在、国務副長官への起用が取り沙汰されている。ボルトン氏の提言はトランプ氏の外交政策に影響を及ぼす可能性もある。
ボルトン氏は「台湾は地理的に沖縄やグアムよりも東アジアの国や南シナ海に近い。この地域への迅速な米軍配備をより柔軟にする」と説明。さらに「日米関係を悩ます沖縄から、少なくとも一部米軍を(台湾に)再配置すれば、ワシントン(米政府)は東京(日本政府)との緊張を緩和するのに役立つかもしれない」と述べ、沖縄の米軍基地問題解決になると指摘した。
また「海洋の自由を保障し、軍事的な冒険主義や一方的な領土併合を防ぐことは、東アジアや東南アジアでの米国の核心的利益だ」と強調し、中国をけん制した。台湾との軍事協力の強化は「米国の核心的利益を達成するための重要な一歩だ」とした。