「温かい気持ち届けたい」沖縄の高校生が募金活動 子どもの貧困支援で


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春に入学、新生活を始める子どもたちへの給付金の資金造成で街頭募金を行う高校生ら=21日、那覇市のぶんかテンブス館前

 低所得世帯の子どもたちに支給する入学・新生活応援のための給付金に役立ててもらおうと、那覇高2年の3人が街頭募金を企画、あらかじめ同高でも寄付を募り、仲間2人を加えた5人で21日、那覇市牧志で募金活動を行った。175人から3万9619円を集めた。全額を子どもの貧困対策に取り組む公益財団法人「あすのば」(東京)の給付金事業に託す。5人は「協力してくれた人たちの温かい気持ちも子どもたちに届けたい」と話す。

 「あすのば」は、春に入学や新生活を迎える低所得世帯の子どもたちに、返済不要・成績不問の給付金を支給している。2016年度は県内18人が受給した。

 街頭募金は、外から見えにくい子どもの貧困問題に関心を持ってもらおうと、那覇高校2年の秋吉千國(ちぐに)さん(17)、喜舎場美野(みらの)さん(17)、大井香音(かのん)さん(17)の3人が企画。那覇署へ道路使用許可を申請し、街頭で掲げるボードや募金箱を用意した。同高でも募金を呼び掛け、教諭や生徒95人から寄付を託された。

 21日は那覇西高2年の金城早貴さん(17)、名桜大4年の石井恒之介さん(22)も加わり、5人で街頭に立った。給付金で制服を買えたという受給者の声を紹介し「社会全体で子どもたちを支えてほしい」と協力を呼び掛けた。秋吉さんは「車を止めて車内から寄付をしてくれる人もいてありがたかった。給付金で、子どもたちの生活が少しでも楽になってくれたら」と話した。

 東京から駆け付けた「あすのば」の村尾政樹事務局長(26)は「温かく見守る人の存在が受給者の支えになる」と草の根の活動の広がりを喜んだ。