オスプレイから空中給油 米海兵隊、来秋にも完備


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 米海兵隊が2019会計年度(18年10月~19年9月)までに、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイから他の機体へ空中給油できる機能を加える計画であることが2日までに分かった。沖縄にも飛来が予定されている最新鋭ステルス戦闘機の海兵隊仕様のF35Bなどにも給油する訓練を計画している。新たな空中給油訓練は18年秋にも県内で実施される可能性が高い。米軍普天間飛行場所属のオスプレイは昨年12月に空軍の給油機から空中給油を受ける訓練中にプロペラが給油ホースに接触し、墜落したばかりで、新たな機能付与に一層反発が強まりそうだ。

 米海兵隊の16年航空計画で「V22空中給油システム(VARS)」として記された。18会計年度半ばにも固定翼機、ティルトローター機、回転翼機への空中給油を可能にする初期能力を備え、19会計年度に完成版の機能を完備させる予定だ。

 航空計画によると、海兵空地任務部隊(MAGTAF)の空中給油機能のある全航空機に空中給油が可能となる。約1万ポンド(約4・5トン)が給油できる。

 山口県の岩国基地に配備されたF35Bは空中給油を受ける機能があり、交代前のAV8B攻撃機やFA18戦闘攻撃機と同様、県内に飛来する予定だ。既に普天間飛行場に配備されているCH53E大型ヘリコプターも空中給油を受けることができる。

 ボーイング社と共にオスプレイを製造するベル社のウェブサイトにはオスプレイの空中給油の映像が掲載されている。固定翼モードで飛行するオスプレイが機体後方から給油ホースを出し、後ろを飛ぶFA18に空中給油する様子が紹介されている。

 2012年6月に米フロリダで起きた空軍仕様の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの事故は、2機が並んでいた際に1機が前方を飛ぶ別のオスプレイの気流を受けて墜落した。