沖縄都市モノレール「てだこ浦西駅」周辺地区のエネルギー供給を担う浦添分散型エネルギー株式会社がこのほど設立され、6日、浦添市勢理客の同社で役員体制や今後の事業計画などを発表した。代表取締役社長に沖縄ガスの神山正取締役が就任した。今秋にも、同地区内にコージェネレーション(熱電併給)システムの拠点となるエネルギーセンターの建設に着手する。分散型エネルギーシステムを構築し、地域内のエネルギー需給を効率的に管理することで、電気料金を低減し、二酸化炭素(CO2)の排出削減など環境への負荷を抑える。
同社はてだこ浦西駅周辺地区内で使用されるエネルギーの3~4割程度を自家発電で賄う見込み。沖縄ガスが供給する都市ガスを燃料に発電するほか、地区内に掘った井戸から湧き出る温泉に付随するメタンガスも利用する。発電時に発生する廃熱も供給するほか、温水と冷水も、地区内に立地するフィットネス施設や商業施設などに供給する。
地区内に太陽光発電設備や小型風力発電設備の設置も予定する。将来的には年間1万2千トンのCO2排出を抑える。システムの導入費用や施設整備費用などの総事業費は71億円で、2022年度をめどに売上高12億5千万円を目指す。
同社の資本金は6日時点で3億8250万円。浦添市や沖縄振興開発金融公庫などが出資した浦添スマートシティ基盤整備や九電工が出資するスマートエネルギー投資合同会社、沖縄ガス、沖縄銀行の共同出資で設立し、出資総額は7億6500万円に上る。今後も増資する予定で、最終的に資本金を13億5千万円とする。神山社長のほか、取締役に九電工の高本秀人氏と沖縄銀行の又吉司氏が就任した。