沖縄の雑穀食復活へ 飲食店、農家ら組合発足


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雑穀食文化の普及を図るため、「沖縄雑穀生産者組合」を設立した中曽根直子組合長(前列左から2人目)ら=12日、那覇市松尾の古民家レストラン「浮島ガーデン」

 キビやアワ、ヒエなどの雑穀食文化の普及を図るため、沖縄県内の雑穀・野菜農家や飲食店関係者らは12日、那覇市内で「沖縄雑穀生産者組合」の発足式を開いた。組合長に選任されたベジタリアン・レストラン浮島ガーデン店主の中曽根直子さんは「戦後、急激に消えていった沖縄の雑穀栽培と食文化を復活させたい」と語った。

 沖縄本島や宮古、八重山地域で雑穀・野菜栽培に取り組む個人農家ら計17人が賛同して組合に加入した。全組合員で雑穀栽培に加えて、沖縄在来の雑穀類の再生にも取り組む。

 無農薬・無化学肥料を徹底させ、栽培した雑穀は組合が全量買い上げして販売、提供する。一般家庭でも調理しやすくするため、加工食品の製造も視野に入れている。畑での援農イベントや料理教室などを開いて普及活動も行う予定。

 12日の発足式は那覇市松尾の浮島ガーデンで開かれた。動物性食材を一切使用しないで、ハンバーグや白身魚フライ、チーズ、パスタなどの味わいを表現した雑穀料理が組合員らに振る舞われ、雑穀食文化の可能性を再確認した。

 中曽根組合長は「雑穀は生命力が強く荒れた土地でも育つので休耕地や耕作放棄地も活用できる。お米の何倍ものミネラルを含んで栄養価も高いので、健康長寿の島・沖縄の復活に貢献できる」と話した。

 準組合員や賛同者を募集している。問い合わせは事務局の浮島ガーデン(電話)098(943)2100。