【うるま】美里工業高校(沖縄市、松島寛尚校長)建築科3年の大野元揮さん(17)が1年かけて木材の演台を作り上げ、母校のうるま市立具志川東中学校に寄贈した。大野さんは「工業で学んだ技術を全部使って物を完成させたかった。建築科はやりがいがあるんだということも後輩に伝わればいいと思う」と話した。
制作作業は6月から取り掛かった。授業時間内の作業だけでは足りず、放課後も残って取り組むことも多かったという。ウオールナット材を用いた高さ1メートル20センチほどの演台が2月に完成した。
14日、具志川東中で行われた贈呈式で大野さんは、接触面を合わせるためカッターなどを用いる作業が「とても集中力が必要なので大変だった」と振り返った。
正面に取り付けた校章の制作にも時間がかかった。「具」と「東」の漢字を図案化した複雑なデザインを糸のこなどで板から切り出し、丁寧に仕上げた。
具志川東中の島村一司校長は「完成度の高さに驚いた」と話した。卒業式など各種式典の際、司会者用の演台として用いるという。贈呈式に出席した同中3年で生徒会副会長の宮城力志さん(15)は、工業高への進学を志望しており「人を喜ばせる作品を作れるようになりたい」と話した。