気遣い忘れず接して 糸満市職員、LGBT研修


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市役所の職員にLGBTの概念を分かりやすく説明する矢野恵美さん=7日、糸満市役所

 【糸満】糸満市(上原昭市長)は7日、性の多様性について理解を深めようと、職員研修の一環として「2016年度糸満市LGBT講演会」を市役所で開いた。職員ら約60人が参加した。琉球大学大学院教授の矢野恵美さんが、LGBT(同性愛者や性同一性障がいを抱える人など性的少数者)の概念を分かりやすく説明し「気遣いを持っていますよと相手に伝わることが大事。窓口でも相手のことを理解しているという心遣いで接してほしい」とアドバイスした。

 糸満市は人権についてあらためて考え、市民への対応を見直すきっかけにしようと初開催した。テーマは「性の多様性から見えてくるわたしたちの街~その態度はイエローカード。日常的に見られる場面を通して~」。

 矢野さんは「私には認められていることが認められない人がいる」と強調した上で「性のありようは、他の人に認めてもらうようなことではない」と語った。

 また、比嘉や金城(きんじょう、かねしろ、かねぐすく)の名字がそれぞれ3・2%に対し、LGBT層に該当する人は7・6%と説明した。「『私の周りにはいない』と思っている人は、周りにいないのではなく、あなたには言えないだけ。比嘉さんや金城さんと同じ割合でいるはずだ」と身近な存在であることを指摘した。

 LGBTの人の自殺率やうつ病の発症率が高いことや、職場や学校のトイレに入らずに我慢して排せつ障がいになる人もいることを挙げ「日常生活の中で苦しい経験があることを私たちは知っていないといけない」と話した。

 市役所職員がロールプレイし、窓口での具体的対応についても学んだ。