沖縄県の金武町中川区と宜野座村城原区の境界線付近で米軍機UH1ヘリが8日、つり下げていた複数のタイヤを落下させた事故で、米海兵隊が同日夜に沖縄防衛局に対して「訓練はパイロットが人道支援・災害救援任務を果たすために不可欠なものだ」との見解を示していたことが分かった。
宜野座村や金武町が集落周辺でのつり下げ訓練の中止を求めている中、訓練を継続する意向を示しており、一層反発が強まりそうだ。
事故を受けて県は9日、沖縄防衛局に対して「遺憾だ」と申し入れた。金武町と宜野座村は連名で13日にも防衛局に抗議する予定。
沖縄防衛局によると、米海兵隊は8日午後10時半ごろ、落下について報告した。訓練について「消火活動任務を実施するため」とした上で「消火用バケツをつり下げる際の練度維持に役立つ」と説明した。
事故を目撃した城原在住の70代男性によると、米軍ヘリは8日午後2時半ごろに同区付近を飛行。旋回の勢いで斜めに傾き、その勢いでワイヤから物資が離れて雑木林の中に落ちた。
9日、米兵約40人がタイヤが落下したとみられる中川区内の米軍提供施設とみられる雑木林に入り捜索したが、発見されたかは不明。