那覇空港第2滑走路 審査期間は前回並み 事前調整なく、補正重ねる


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 那覇空港第2滑走路の増設工事で沖縄総合事務局が申請した岩礁破砕許可申請は、県が2回にわたり補正を求め、最初の申請から57日目で県の許可が下りた。今回の審査では審査期間が焦点の一つとなった。翁長雄志知事が、辺野古新基地建設阻止に向けた知事権限の一つに岩礁破砕許可を挙げており、政府サイドからは審査期間を故意に引き延ばしているとして県の対応をけん制する声も上がってていた。

 実は那覇空港の第2滑走路増設工事での岩礁破砕許可申請は、工事開始当時の3年前にも実施。当時は1カ月前から細かい調整が行われ、準備が整った上で正式な申請に至った。

 一方で県によると今回の申請では、昨年12月1日に沖縄総合事務局の担当者との打ち合わせが1度あったものの、その後の調整がないまま1月12日に不備のある申請書が提出されて審査が始まった。

 今回の申請は9日に許可され、実質的な審査時間は今回も3年前も1カ月強で、大きな差はなかった。

 県によると今回の申請書では汚濁防止膜を固定するためのコンクリートブロックが、岩礁破砕区域外に設置されることが確認された。3年前の申請・許可時には許可区域内に収まっていたもので、ブロックの設置が海底地形に与える影響を確認する必要が新たに生じた。

 だが総合事務局が1月に提出した正式な申請書は「ほぼ3年前の申請書のコピー状態」(県水産課)。海底地形の改変に当たるかが判断できなかったため、2度にわたり補正を求めた。

 総合事務局側は設置予定場所の写真などを提出し、県は海底地形の変更に当たらないと判断できたことから、許可に至った。