辺野古汚濁防止膜設置へ 知事に「撤回決断を」 市民、自然破壊も危惧


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 【辺野古問題取材班】沖縄防衛局が10日にも辺野古移設に向け、護岸工事に伴う汚濁防止膜の設置作業を開始することに、市民から「翁長雄志知事は一刻も早く埋め立て承認の撤回に踏み切ってほしい」「もっと県民は怒らないといけないのではないか」など、翁長知事の決断を待ち望む声や怒りの声が上がった。

 大浦湾では連日大型のコンクリートブロックが投下され、工事は急ピッチで進んでいる。米軍キャンプ・シュワブゲート前では、工事用車両の搬入を止めようと座り込む人たちを機動隊が強制排除し、工事が遅れる気配はない。

 大浦湾の海上で抗議活動をしている写真家の牧志治さん(67)は「汚濁防止膜が張られると海水の流れが阻害され、生態系が破壊される。一度破壊された自然は二度と戻らない」と危惧した。

 キャンプ・シュワブゲート前で座り込んで機動隊に強制排除された那覇市の具志ムツミさん(67)は「国は県民の意見を聞かずに勝手な解釈で工事を進めてひどい。もっと県民は怒らないといけないのではないか。子どもや孫、未来の沖縄のことを考えないといけない」と訴えた。

 大浦湾に面する名護市二見区に住む浦島悦子さん(69)は「毎日大浦湾に落とされるブロックを見せつけられて地域の人は『もう駄目だろう』と不安をかき立てられている。基地ができたら、次世代に申し訳ない。20年間続いてきた行動を絶対に諦めない」と声を上げた。