【南城】畑で一家そろって何をしているのだろう、と車を止めて見ると衣装を着けたかかしだった。大人4人に子ども7人、杖を突いたおばあさんも人間そっくり。
場所は南城市玉城字屋嘉部区の玉城小学校裏側を島尻消防署へ抜ける坂道沿い。當山喜邦さん(64)所有の畑で、昨年11月に旅行した大分で、田んぼの中にかかしが多く立っているのを見て早速、作ったという。
背広の仕立業を営んでいた技術を生かし、孫たちがの洋服を利用して靴もそろえた。當山さんは同市親慶原から通ってネギやセロリ、パパイアなどを栽培する。「疲れた時、椅子に座って“かかし一家”を眺めていると心が癒やされる」とほほ笑んだ。
市玉城庁舎すぐ近くで古謝景春市長も「雨の日はカッパをかぶせて、ぬれないようにしている」と気遣いに感心する。屋嘉部区長の仲村常広さんは「夜中になると、まるで人間が立っているようで怖がられている」と當山さんのアイデアに感心している。(知花幸栄通信員)