「トタンが落ちることも」 沖縄市「銀天街」アーケード 地元自治会が撤去要請


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プレハブ部分の穴や、支柱のさびが目立つ銀天街のアーケード=13日、沖縄市照屋
アーケードの支柱やコーンに張られた「落下物 頭上注意」と書いた紙

 【沖縄】沖縄市照屋にある商店街「銀天街」のアーケードが、設置から約40年が経過したことによる老朽化で、周辺住民や通りの店主らに不安を与えている。銀天街を管轄地域内に置く照屋自治会(真玉橋朝勇会長)は落下物などによる事故を懸念し、市に撤去の申請をしている。アーケードは2014年に解散した市銀天街商店街振興組合が作ったため、市は「市の財産ではないため、どう対応できるか内部で調整している」と話している。

 アーケードは1978年、総工費約2億3千万円をかけて整備された。高さは約7メートルで、耐用年数は15年。現在はメーンの通りに約100メートル分が残る。ただ屋根中央のプレハブ部分に穴が散見され、両側の鉄板部分もゆがみや剥離(はくり)が目立つ。剥離部分が落下することもあり、支柱などには「落下物 頭上注意」と書いた紙が張られている。

 照屋自治会が1月、地域住民や店主らを対象に実施したアンケート(68人回答)では、7割近い人が「撤去した方がいい」と回答した。通り沿いの菓子屋を親族から引き継ぎ、20年以上経営する女性(64)は「台風の後はトタンが落ちてることもある。鉄板がはがれている所もあって危ない」と危機感をあらわにした。

 以前に自治会などが試算した撤去費用は、2千万円以上に上る。真玉橋会長は「落下物で歩行者がけがをしかねないが、自治会では撤去する資金がない。予算確保などで撤去までに3年くらいはかかるかもしれないが、市に負担をお願いしたい」と話す。今月末には市長に直接要請する方針だ。

 市商工振興課の担当は「危険であることは認識している。なんとか解決策を導き出したい」と話した。