沖縄高専の古謝さん、理工系学生論文全国一


この記事を書いた人 平良 正
理工系学生科学技術論文コンクールで県内初の最優秀賞に選ばれた古謝秀人さん=17日、名護市辺野古の沖縄工業高等専門学校

 【名護】第17回理工系学生科学技術論文コンクール(日刊工業新聞社主催)で沖縄工業高等専門学校5年の古謝秀人さん(20)=うるま市伊計島出身=が県内から初めて最優秀賞・文部科学大臣賞に決定した。全国の応募202件の中で最も評価された。「人工知能に教わる日本の政治」と題し、難しい国会答弁を高校生にも分かるかみ砕いた解説付きで紹介するサイトを考案した。選挙権を取得する年齢が18歳に引き下げられた中、若者の政治への無関心を打開し投票率の向上にもつながると提言した。

 国会答弁の議事録データを使い人工知能を構築し、政治家らの難しい言い回しを解説するサイトを創設する仕組みをまとめた。

 学内メールを見た同じ学校に通う双子の弟・良人さん(20)に言われて受賞を知った古謝さんは「冗談かと思った。うれしいのと戸惑い、驚きが半々だった」と明かし、論文で提案した仕組みについて「今の技術でも可能だと思う」と笑顔を見せた。18日に卒業式に出席し、4月からは同校専攻科に進学する。将来は「(ITの)セキュリティーに関する企業に就職し社会貢献できたらと思う」と意欲を見せた。

 また、同校からはいずれも5年の又吉りささん(ゴキブリから学べるもの)と、石川真帆さん(「21世紀の日本を担う技術者の育成に向けて、高専のカリキュラムに『集団討論』を組み込むという試み」)も入賞した。