闘牛、無形文化財に うるま市でシンポ 愛護との両立考える


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伝統文化の闘牛を守るために討論し合う(左から)上原政英氏、宮城邦治氏、林良博氏、平川守彦氏=15日、うるま市の石川地域活性化センター

 【うるま】動物愛護団体から禁止を求める声がある闘牛をいかに守るか―。県闘牛組合連合会は15日、うるま市の石川地域活性化センター「舞天館」でウシオーラセーシンポジウム「地域の文化財を守るために」を開き、闘牛文化の継承に向け活発な議論を交わした。登壇者からは無形文化財として登録することや闘牛のルールの変更についての提言があった。会場には約100人の関係者が詰め掛け、立ち見が出るほどだった。

 国立科学博物館の林良博館長が基調講演した。討論には林館長と沖縄国際大学の宮城邦治名誉教授、元県議の上原政英氏、平川守彦琉大准教授が登壇した。

 闘牛の解説も務める宮城氏は「牛と牛を闘わせる文化は世界中にある。『血が出るから虐待だ』と考えるのはいかがなものか。文化の多様性を認めるものとして闘牛に誇りを持ってほしい」と訴えた。

 闘牛の里・旧石川市出身でもある平川氏は「闘牛反対の人は闘牛を深くは知らない。角を研ぐからどうしても血が出る。牛のことを考えて角を研ぐことを禁止にしてほしい」と提案した。

 徳之島闘牛大使でもある上原氏は「闘牛には無形文化財としての価値が十分あるということを真剣に考えてほしい。ルールについてはその後話し合えばいい」と語った。

 基調講演で林館長は、動物愛護団体が主張する「本来の習性を発揮する自由」を挙げ「牛は闘う喜びを持つ動物だ」と指摘。「一日も早く無形文化財に登録してほしい。そうすれば文化財として認知される。まずはうるま市から始めてほしい」と要望した。