南部医療センター職員、麻薬庫鍵の紛失隠す 「筋弛緩剤紛失」直後に


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 沖縄県立南部医療センター・こども医療センターに勤務する60代の男性職員が昨年10月下旬、筋弛緩(しかん)剤やモルヒネなどが入った麻薬金庫の鍵が紛失していることに気付きながら上司に報告せず、合鍵を作って隠蔽(いんぺい)しようとしていたことが22日、分かった。県病院事業局は同日、事実の隠蔽と虚偽の報告があったとして、鍵を管理していた同職員を減給3月(給料月額10分の1)の懲戒処分にしたと発表した。薬物に紛失はなかった。同センターは昨年10月14日に筋弛緩剤の紛失を公表していたが、その直後に麻薬金庫の鍵を紛失していた。

 県病院事業局によると、金庫の鍵は2本あり、うち1本が無くなった。同職員は昨年10月26日に紛失に気付いたが、報告を怠ったまま、12月22日に合鍵作成を事務職員に依頼した。上司が作成について説明を求めたところ、男性職員は「もともと1本しかなかった」と虚偽報告をしたという。同センターは12月28日に麻薬金庫の鍵を取り換えた。

 男性職員は聴取に対し「筋弛緩剤の紛失が公表された直後だっため、報告しづらい状況だった」と話しているという。佐久本薫・同センター院長は「鍵の管理を徹底するマニュアルを作成し、厳格な薬剤管理に取り組み、社会奉仕に努めていく」とコメントした。

 また、県病院事業局は22日、昨年7月17日に酒気帯び運転で信号待ちの車に追突したとして、県立中部病院に勤める20代の男性薬剤師を停職6月の懲戒処分にしたことも発表した。