手作り救急車 大活躍 MESHサポート 年174件搬送


この記事を書いた人 新里 哲
北部の急患搬送で活躍する自作の救急車の前で笑顔を見せる(左から)救急救命士の宮城元樹さん、新里陽太さん、操縦士の高橋和義さん、整備士の五十嵐誠さん=23日、名護市宇茂佐のMESHヘリポート

 【名護】民間救急ヘリを運航するMESHサポートは、急患を名護市宇茂佐のヘリポートから病院まで迅速に搬送するため、救命救急士自らワンボックスカーを改造した自前の救急車を活用している。これまでは消防隊が本来業務とは別で病院まで搬送しており、消防隊の業務負担軽減にもつながっている。昨年3月から運用し、今年2月までに174件の搬送をした。

 医師を乗せている救急ヘリは医療機関扱いとなるため、ヘリから病院までの搬送は「病院間搬送」で消防の本来業務には当たらないという。“手作り救急車”の所属自体は北部救急クリニックとなる。

 「消防業務を圧迫するのは同じ救急救命士として心が痛い」と発案したのは宮城元樹さん(29)。法律を調べたり関係機関に質問したりして、総工費約100万円で完成させた。約90万円で中古車屋に車体を仕入れてもらい、約10万円で赤色灯などの装備をネットオークションで購入した。同じく救急救命士の新里陽太さん(25)と森元一晟さん(25)も製作に携わった。

 普段から物作りが好きだという宮城さんは「調べると、意外と簡単にできた」と話し、その実行力が北部地域の急患輸送に一役買っている。一方で「直接搬送できる屋上ヘリポートがある救急病院が北部にできれば理想的だ」とも語った。