「名護の母」留学生支え続け 新城文さん 20年、地域で見守る


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新城文さん(中央)と一緒に笑顔を見せるソンさん(左)とスジャトミコさん=18日、名護市

 【名護】18日にあった名護市の沖縄工業高等専門学校の同校卒業式・修了式には、名護市でダイニングバー「彩」を営む新城文さん(70)が、2人の留学生を見守った。新城さんは沖縄高専や名桜大などの留学生を約20年前から“名護のお母さん”として支援しながら、それぞれの国に送り出している。

 今回沖縄高専を卒業したのは、機械システム工学科のサンニ・スジャトミコ・ハルタントさん(22)=インドネシア出身=と、生物資源工学科のソン・トウヤイさん(23)=ラオス出身=だ。2人は週末になると新城さん宅に泊めてもらったり、店で地元の人々を紹介してもらったりと気に掛けてもらった。

 新城さんは2人の卒業を「それぞれの道で頑張っていくのがうれしいのと、離れていって寂しい思いの両方がある」と話す。

 スジャトミコさんは愛知県の豊橋科学技術大学で、さらに2年間知識と技術を学ぶ。将来的には起業を見据えており、卒業式では学業優秀な学生として表彰された。新城さんに「何年か後に孫を連れて行きたい。いつかは分からないけど」と笑う。

 ソンさんは地元の森が農業開発などでどんどん減っていく様子に直面し「環境を守りたい」とバイオテクノロジーの世界を志した。卒業後は故郷のサイソムブーン県に戻り、農業関係で技術を生かす。「沖縄での3年間、皆さんが優しかった。ラオスと沖縄は気候などが似ていて住みやすかった」と振り返った。

英文へ→Aya Arashiro, “Mother of Okinawa,” has been looking after local foreign exchange students for over 20 years