沖縄戦時に渡嘉敷島で起こった「集団自決」(強制集団死)から72年の28日午後、渡嘉敷村の白玉之塔で村主催の慰霊祭が開かれた。約60人の遺族、関係者らが参加した。遺族の高齢化が目立ち、つえをついてゆっくりとした足取りで会場に足を運ぶ人の姿が多くみられた。参列者は72年がたった今でも沈痛な面持ちで手を合わせ、鎮魂の祈りをささげた。
松本好勝渡嘉敷村長は「多くの尊い命がこのような悲惨なかたちで失われたことは痛恨の極みである」と式辞を述べた。さらに「渡嘉敷島も今日では発展し、悲惨な戦禍が過去の語り草となりつつある」と危機感を示した上で「歴史が続く限り子々孫々まで伝える」と事実を継承する決意を新たにした。
参列した80代の男性は「父と兄弟3人を亡くした。今でも胸が苦しい」と涙ぐんだ。【琉球新報電子版】