米空軍嘉手納基地は4日までに、ジェット戦闘機の深夜・早朝の離陸を避けるため、他の米空軍基地に夜間に着陸できる「特例」の導入で米太平洋空軍と合意した。米軍は長距離飛行時の操縦士の疲労などを勘案し、日中に着陸する方針を持つ。この着陸時間の「逆算」が理由で、騒音防止協定では飛行禁止となっている午後10時から午前6時に離陸することがあり、騒音被害につながっている。「特例」で、他基地への夜間着陸を可能にしたことで、嘉手納の夜間離陸を避けることができるという。
ただ、特例措置はジェット戦闘機のみが対象。その他の航空機の離着陸や地上のエンジン調整は含まれない。嘉手納基地を巡っては3月23日、當山宏嘉手納町長が沖縄防衛局を訪れ、夜間の騒音が激化しているとして、夜間訓練の中止を要請している。同要請は夜間のエンジン調整音が長く続いたことを受けたもので、嘉手納基地の夜間騒音は解消していない。
在沖米総領事館や嘉手納基地によると、今回の措置は嘉手納基地の第18航空団のバリー・コーニッシュ司令官が米太平洋空軍と合意し、ことし1月10日に発効した。措置の期間は未定。
措置の対象がジェット戦闘機になっていることについて、在沖米総領事館は「最も騒音が大きいため」と説明した。