攻め続け表彰台 平良響、全日本カート2位


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全日本カート選手権初出場ながら第1戦で2位入賞した平良響=3月26日、滋賀県の琵琶湖スポーツランド(提供)

 沖縄県勢として初めてレーシングカートの日本最高峰シリーズJAF全日本カート選手権に参戦した平良響(コザ高2年)=スクーデリア沖縄=がシリーズ開幕戦・琵琶湖大会(3月26日)で2位に入った。

 西地域FS―125部門で、タイムは20分53秒839。トップの塩津(ATEAM Buzz motorsport)は20分53秒345で、わずか0・494秒差だった。平良はフォーミュラ―シリーズに挑戦するために、年間6位以内の選手に付与されるコースドライバーライセンスの取得を目指しており、初戦の2位は幸先の良いスタートとなった。スクーデリア沖縄のスペシャルアドバイザーに、元フォーミュラワン(F1)ドライバーの高木虎之助氏が就くことも決まった。

レース直後、3位で表彰を受けるも上位選手のペナルティーで2位となった平良響(提供)

◆手応え「次は1位」
 全日本カート選手権に初挑戦の平良響にとって、コースも車体もエンジンも、ハイグリップのレインタイヤも未体験という初物づくしのレースだったが、アグレッシブなアクセルワークと独自のライン取りで攻め続け、第1戦から表彰台という快挙を成し遂げた。ただ「抜ければ1位だったのに」と向上心は尽きない。

 33台で26周を競う第1戦決勝は5位で開始。序盤の混戦の中で3位につけると、そこからは2位の後方にピタリと付くテールトゥノーズの展開が続いた。雨上がりでコースアウトする選手が続出する中、抜き去る瞬間を虎視眈々(こしたんたん)と狙った。しかし0・494秒差で惜しくも届かなかった。

 ジュニアクラスとは異なるハイグリップタイヤに、コーナー前のブレーキング距離の短さや進入角度のシビアさを痛感したが、「対応できると思う」と手応えもつかんだ。

 平良は全日本選手権と並行して、鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS―F)で腕を磨き、厳しい選考の先にあるホンダのサポートを受けたフォーミュラ4(F4)出場を目指している。「上を目指すにはカートもSRSも落とせない。次のレースでは1位を取る」と力を込めた。

◆沖縄初のF1選手を スクーデリア、出資募る
沖縄から初のF1レーサー輩出を目指しているスクーデリア沖縄は、県外遠征費など必要経費を、不特定多数の支援者がネットを介して出資するクラウドファンディングサイトYUIMA(https://yuima-okinawa.jp/project/detail/173)で資金を募っている。