救助に国籍関係なし 東部消防の4人 語学枠で沖縄県内初採用


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語学資格採用枠で4月から採用された(左から)湯川仁一さん、金城綾香さん、島袋勇人さん、新垣雄二郎さん=7日、南風原町与那覇の東部消防組合消防本部

 【南部】沖縄県内の消防では初めて語学資格枠で採用された新人消防職員4人が、1日から東部消防組合消防本部にフレッシュな風を吹かせている。増え続ける海外からの観光客などに対応できる体制を整えようと始まった取り組みの第一歩。4人は10日には消防学校に入校し、12月まで訓練を積む。「国籍に関係なく人を助けられるようになりたい」と熱い思いに胸を膨らませている。

 採用されたのは、台湾留学経験がある金城綾香さん(28)=沖縄市=と湯川仁一(じんいち)さん(23)=中城村、米国留学経験がある島袋勇人(はやと)さん(24)=沖縄市=と新垣雄二郎さん(25)=南風原町。

 金城さんと新垣さんは別の仕事に就いていた。2012年に大学を卒業した金城さんは空港の通関業務、新垣さんは16年に卒業し、北谷町の動物病院で通訳として勤めていた。

 台湾出身の祖父母を持つ湯川さんは、自分のルーツを知るために留学。「語学力を生かし沖縄と台湾の懸け橋になりたかった」。体力にも自信があり、迷わず応募。採用を勝ち取った。

 一方、昨年一般枠で応募し不採用だった島袋さんは、得意の英語でリベンジを果たした。「語学も生かせると知り、再挑戦することに迷いはなかった」

 周囲からの大きな期待に、金城さんは「言葉が通じないことで対応が遅れることがないよう、しっかり学んでいく」と気を引き締める。新垣さんは「早く一人前の消防士になり、全ての人が安全だと思える沖縄にしたい」と語った。(半嶺わかな)