平和つくる大きな心へ 人道支援国際NGO シャンカールさん講演


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心の持ち方などついて語るシュリシュリ・ラビ・シャンカールさん=3日、北中城村・中城村の中城城跡

 【北中城・中城】インドを中心に各国で人道支援、教育支援に取り組む国際NGO「アートオブリビング」を設立したシュリシュリ・ラビ・シャンカールさん(61)が初来沖し3日、中城城跡で講演した。シャンカールさんは「自分の内なる心の平和が自分の外側の平和を形づくる」と語り、ヨガや瞑想(めいそう)の大切さを強調した。途中、参加者らに瞑想を指導する場面もあった。

 シャンカールさんは2006年のノーベル平和賞候補者。コロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC)で50年続く内戦で両者の間に入って交渉し、停戦に導くなどの功績を残している。平和推進活動に取り組みながら、ヨガの指導も行っている。

 シャンカールさんは「人生はとても多面的だが、より高い次元に行くと、さまざまに見えていても底には一体感があり、一つのものがあると見えてくる」と語った。

瞑想する参加者ら

 その上で「より高い次元に行くと、自分以外のものは何もないと気付く。心が狭くなると考え方も狭くなり、コミュニケーションにも問題が起き、争いが起こる。心が大きくなっているとコミュニケーションがうまくいく。大きな心でいる時、他者はいなくなり、自分だけだと気付く」と説いた。

 内なる平和を得る方法として(1)心を明晰(めいせき)にして、純粋で誠実な行動を取る(2)人の役に立つことをする(3)笑顔で過ごす(4)瞑想する(5)人生をもっと大きな視点で見る―などを挙げ「さまざまな出来事に悩まず、乗り越えてこそ、確たる笑顔が得られる。出来事がわれわれを強くする」と語った。

 来場者には「今日は日頃の心配や緊張は置いておき、自分には最高のことだけが起こると思って帰ってほしい」とエールを送った。

 講演を企画した今井新子さん(42)=北中城村=は「県内では基地問題にしてもみんな平和になりたいと思っているのに、対立し、闘っている現状がある。みんなが多様性があって、お互いに尊重し合えるようになれたらいい」と話した。

英文へ→Sri Sri Ravi Shankar, founder of The Art of Living Foundation, speaks of inner peace in Nagagusuku