傍聴席遮るついたて設置 那覇地裁、防衛局職員の証言で 沖縄平和センター議長の公判 検察が申請、弁護団反発


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
山城博治沖縄平和運動センター議長らの第3回公判が開かれた法廷=17日、那覇地裁(代表撮影)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に伴う名護市辺野古の新基地建設や米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設への抗議活動を巡り、威力業務妨害や公務執行妨害・傷害、器物損壊の罪に問われている山城博治・沖縄平和運動センター議長(64)らの第3回公判が17日、那覇地裁(潮海二郎裁判長)であった。

 那覇地検は沖縄防衛局職員の証人尋問を行った。法廷では地検から「証人が圧迫を受ける」と申し立てを受けた地裁が、証人と傍聴人の間を遮蔽(しゃへい)するついたてを設け、弁護側は裁判官の忌避(交代)を申し立てたが却下された。

 三宅俊司弁護士は「傍聴人に対する裁判の公正・公平を侵害する」と指摘し、即時抗告を申し立てる考えを示した。傍聴人や山城議長から「堂々と顔を見せるのが当たり前だ」「こっちは暴力団ではない」などと反発の声が上がり、異様な雰囲気の中で審理が行われた。

 辺野古の米軍キャンプ・シュワブで基地建設工事の現場監督だった防衛局職員は、抗議市民らがゲート前にブロックを積み上げたことについて「ブロックを積まないでください」と何度も広報や警告をしたとした。積み上げで「基地内での作業時間がおのずと短くなった」と被害を訴えた。

 次回の第4回公判は5月8日で、高江の事件に関して審理する予定。前回の第2回公判で、検察側が開示・請求していた証拠映像の事実関係に疑義が生じた件は、検察側が整理するのに5月いっぱいかかるとし、同月11日に予定していた審理は変更となる。