現場東から流弾か 県が立ち入り調査 ハンセン内の安富祖ダム


この記事を書いた人 平良 正
「流弾」現場の調査を終え報道陣の質問に答える県の吉田勝広政策調整監=21日、恩納村安富祖のキャンプ・ハンセンゲート前

 恩納村安富祖の米軍キャンプ・ハンセン内の安富祖ダム工事現場で、工事車両や水タンクが破損し、車両付近や水タンク内から銃弾のような物が見つかった問題で、県の吉田勝広政策調整監や担当職員が21日午後、同基地内に立ち入り、発見現場2カ所で調査した。工事関係者や恩納村担当者から話を聞き、銃弾のような物が東側から飛来した可能性があることを確認した。

 県の現場調査には恩納村や沖縄防衛局、工事関係者、石川警察署の担当者が同行した。吉田政策調整監らは約50分間、現場で水タンクや車両の位置関係などを確認した。担当者から銃弾のような物が見つかった時の状況について聞き、車両の破損部分が東を向いていたことや、水タンクの破損部分が東から西に流れた弾痕のような形で残っていたとの説明を受けた。

 吉田政策調整監は確定的なことは分からないとしながら「金武町がある東側から山を越えて飛んできたかもしれない」との見方を示した。

 県は米軍に立ち会いを求めていたが、米軍の担当者は同行しなかった。吉田政策調整監は「直接、当事者(米軍)から意見を聞きたかったが残念だ。米軍は調査をし、その結果を早く県民に明らかにしてほしい」と強調した。

 ダム工事を中止している村は現在、工事再開に向けて調整をしている。週明けにも、安富祖区民に対して問題の経緯や安全確認に関する説明会を実施する予定。議会にも説明する予定だ。村の担当者は「村民に丁寧に説明しながら、工事再開への理解を得ていきたい」と話した。