嘉手納基地でパラシュート訓練 兵士30人が次々と降下


この記事を書いた人 松永 勝利
パラシュートで降下する兵員=24日午前7時52分、米軍嘉手納基地(諸見里真利撮影)

 【中部】米軍は24日午前7時50分ごろから午前9時20分ごろまで、米軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。30人の兵員が高度約3千メートル上空で嘉手納基地所属のMC130特殊作戦機から脱出し、5回にわたって3~8人ずつパラシュートで地上に降下した。物資の投下はなかった。嘉手納基地でのパラシュート訓練は2011年以来。
 當山宏嘉手納町長は「高高度からの訓練だった。風向きや兵員の体調で何が起こるか分からない。嘉手納基地の周辺は住宅密集地があり、訓練を認めることはできない」と反発した。「今後も訓練が常態化しないか懸念を抱いている」と述べ、近く沖縄防衛局や米軍に抗議する。
 嘉手納町議会の基地対策特別委員会(當山均委員長)は訓練を受けて緊急の委員会を開き、臨時議会で抗議決議と意見書を可決する方向で議論した。議員らも道の駅かでなから訓練を確認しており「なぜ嘉手納でやるのか。日米特別行動委員会(SACO)合意の例外を認めてはいけない」「米側が前日の夜8時をすぎて町に連絡したのは遅すぎる」などの意見が上がった。
 パラシュート降下訓練はSACO合意で、読谷補助飛行場から伊江島補助飛行場に移転することで合意している。
 過去には読谷村で1965年にパラシュートで投下されたトレーラーに小学5年の女児が押しつぶされて死亡した事件があった。【琉球新報電子版】

嘉手納基地所属のMC130特殊作戦機から脱出後、地上に向けパラシュートで降下する兵員=24日午前7時51分、米軍嘉手納基地(諸見里真利撮影)