米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画を巡り名護市辺野古沖で政府が25日に護岸工事に着手したことを受け、沖縄県は工事による海底の岩礁破砕行為が確認された時点で直ちに工事の差し止め訴訟を提起する方針を固めた。1~2カ月内には差し止め訴訟を提起し、工事停止の仮処分も申し立てるとみられる。
沖縄県の翁長雄志知事は25日午後、県庁で会見し「事前協議に応じず強行したのは許し難い。サンゴ礁生態系を死滅に追いやる恐れがあり、環境保全の重要性を無視した暴挙だと断ぜざるを得ない」と厳しく政府を批判した。撤回時期は明示しなかった。
知事は護岸工事に「大変な危機感を持っている」と心情を語った。一方で「政府は着手という既成事実をつくろうと躍起になっているが、二度と後戻りできない事態にまで至ったものではない」とも述べた。
県民に不安感が広がっていることに、翁長知事は「県民もいらいらもするだろう。決してマイナスの面で考えていない。いい方向に行くよう議論している」と述べた。その上で「あらゆる手法を適切な時期に行使し、辺野古に新たな基地を造らせないという県民との約束を実現するため全力で闘う」と決意を示した。
謝花喜一郎知事公室長は25日、今後1~2カ月に見込まれる浚渫(しゅんせつ)や鉄板が打ち込まれた場合は、海底状況の現認なしでも許可なく岩礁破砕が行われたと推認できると指摘した。その場合は「躊躇(ちゅうちょ)せず提訴できる」とした。
英文へ→Governor Onaga to seek injunction to block seawall construction for new US base off Henoko