「公平に分担」出発点に 沖国大でシンポ、「県外移設」の根源議論


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米軍普天間飛行場の「県外移設論」を巡り、その意義を再確認するシンポジウムの参加者ら=29日午後、宜野湾市の沖縄国際大学

 シンポジウム「県外移設を再確認する-辺野古新基地建設を止めるもう一つの取り組み」(同実行委員会主催)が29日、宜野湾市の沖縄国際大学で開かれた。在日米軍専用施設の70%が集中する不公平な状態、在沖米軍の多くが戦後の反対運動で日本本土から移転してきた経緯について議論を交わした。さらに「琉球処分」に始まる差別的処遇の歴史をたどりながら、米軍普天間飛行場を巡る「県外移設論」が持つ意味について討議した。日本に米軍基地が必要であれば、全国で公平に分担することを基地問題を巡る議論の出発点にすべきだとの指摘が上がった。

 沖縄近現代史家の伊佐眞一氏ら6人が登壇。沖縄大非常勤講師の親川志奈子氏がコーディネーターを務めた。約200人が訪れた。

 シンポジウムは(1)辺野古新基地建設を直ちに中止し、普天間飛行場を直ちに運用停止する(2)普天間の移設先について、沖縄以外の全国の全ての自治体を等しく候補地とする(3)その際、基地が日本国内に必要かも含めて、当事者意識を持った国民的議論を行う(4)国民的議論で普天間の移設先が国内に必要だという結論になれば、移設先は民主主義と憲法の精神にのっとり、一地域への押し付けとならないよう、公正で民主的な手続きで決定する-ことを求める提言を読み上げた。