憲法記念日の3日、施行から70年を迎えた日本国憲法の価値を考えようと「2017憲法講演会」(主催・県憲法普及協議会など)が那覇市西の県男女共同参画センターてぃるるで開催された。朗読劇、現地報告、講演などを通して、平和憲法の意義と重要性を考えた。
舞台では琉球大の学生11人が朗読劇「すべての国が戦争を放棄する日~おきなわから」を披露した。「非戦を選ぶ演劇人の会」の石原燃さんが作った原案に、県内在住の女優で即興演劇などを手掛ける上田真弓さんが加筆修正と演出を担当した。
加筆修正したのは米軍基地があることを〝当たり前〟だと思って育ってきた若者たちの思いを込めた場面。
大学生らは「アカショウビンの鳴く森を、生き物たちの住む海を、静かな風の吹く空を。私たちの場所は、私たちの場所だ」と堂々と朗読し、大きな拍手を受けた。
陸上自衛隊の宮古島市への配備計画について「宮古島・命の水・自衛隊配備について考える会」の岸本邦弘さんが報告した。
岸本さんは「自衛隊が配備されたら、宮古島の地下水は大丈夫なのか。他に水源のない宮古島では、命に直結する問題だ」と話した。医師でもある岸本さんは「戦争をしないことが最大の予防医学だ」と力を込めた。
水俣病訴訟や諫早湾の排水門開門を求める訴訟などで国や大企業を相手に個人の権利を守ろうと奮闘してきた馬奈木昭雄弁護士が「私たちは絶対に負けない。なぜなら勝つまで闘い続けるから」と題して講演した。
馬奈木弁護士は「国や加害企業のいう『解決』は被害者を黙らせること。私たちの求める解決は、原因をきちんと突き止め、必要な対策や救済措置を取る。そして二度と問題を起こさせないとはっきりさせることだ」と話し、抵抗を続ける重要性を説いた。【琉球新報電子版】