増水で一時54人孤立 名護・源河川と大宜味・平南川、全員救助


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 5日午後2時44分ごろ、名護市源河の源河川と大宜味村津波の平南川にあるター滝付近で、「(大雨で)水かさが急に増して、向こう岸から戻れなくなっている」などとの通報が消防を通じて名護署にあった。18歳未満の子ども22人を含む行楽客ら54人が取り残され、名護市消防本部と国頭地区行政事務組合消防本部、名護署が午後7時2分までに全員を救助した。救助されるまで最大約4時間取り残された。けが人はいない。

 沖縄気象台によると前線の南下により、午後2時半から同3時にかけ、名護市西部と東部で1時間当たり約60ミリの非常に激しい雨となった。東村付近でも午後2時半に50ミリが観測された。気象台は午後2時46分に、名護市で大雨洪水警報を発表した。警報は同4時49分に解除された。
 消防や名護署によると源河川付近には21人、ター滝付近には33人の行楽客が取り残された。うち18歳未満の子どもが、それぞれ7人と15人いた。川の流れが速く、その場から動けない状態だったという。大型連休中で、付近は行楽客でにぎわっていた。
 源河川付近では2014年8月に子ども5人を含む9人が取り残され、ター滝付近では16年6月に外国人ら18人が取り残されるなどの事故が発生している。
 気象台は、6日も前線の南下で1時間当たり20ミリの強い雨が予想されるため、特に河川へ出掛ける際には厳重な警戒が必要だとしている。

雨による急な川の増水で取り残された子どもを救助する消防隊員ら=5日午後6時53分、名護市の源河川(新里圭蔵撮影)