故伊波さんに成功報告 ハワイ捕虜慰霊祭に尽力


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ピーター・伊波さんの墓にレイを掛ける渡口彦信さん=7日、ホノルル市のパンチボール

 【ハワイ=当銘千絵】ハワイ捕虜収容所県出身戦没者慰霊祭実行委員会の渡口彦信共同代表(90)は6日(日本時間7日)、米ハワイ・ホノルル市にある国立太平洋記念墓地パンチボールを訪れ、元ハワイ州下院議員で沖縄県系2世のピーター・伊波さん(享年72)の墓参りをした。

 伊波さんは1980年代初頭、渡口さんの依頼を受け、捕虜として収容所で死去した県人12人の死亡診断書を米政府から入手した。渡口さんは「伊波さんの尽力がなければ慰霊祭は実現できなかった」と述べた。

 渡口さんは捕虜時代に亡くなった県人を供養するため、81年に元捕虜仲間とハワイを訪問しパンチボールで墓参りをしたが、戦後遺骨が遺族の元へ帰っていないことを知った。犠牲者の身元と遺骨の行方を特定するために、ハワイ沖縄連合会の元会長で州下院議員でもあった伊波さんと当地の弁護士に協力を呼び掛け、米保健局から12人の死亡診断書を入手してもらった。

 伊波さんの墓前に立った渡口さんは、4日の慰霊祭が無事成功したことや12人全ての遺骨の行方が分かるまで引き続き尽力する決意でいることを報告した。