“藍らしく”スタート 引退表明の宮里、まずまずのスタート サントリー・レディース


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
17番、バーディーパットを決めてガッツポーズを見せる宮里藍=8日、神戸市の六甲国際ゴルフ倶楽部(具志堅千恵子撮影)

 女子ゴルフのサントリー・レディース第1日は8日、神戸市の六甲国際GC(6538ヤード、パー72)で行われ、今季限りでの現役引退を表明している宮里藍は3バーディー、1ボギーの2アンダー、70で回り、首位と5打差の22位発進となった。宮里藍は5月下旬の現役引退表明後の初戦。上田桃子らと同組の10番スタートで、後半に2バーディーを奪った。

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 最終9番ホール、1万を超える瞳が“藍ちゃん”を見詰めていた。最終日最終組を思わすほどの大観衆の中、宮里藍が3バーディー1ボギーの2アンダーでフィニッシュ。引退表明後初の大会を22位とまずまずの順位で滑り出した。

 「集中して淡々と」。周囲の熱が高まっても、普段通りに落ち着いて振る舞い、時には同じ組で回った上田桃子らと談笑し、冷静さを失わなかった。「とてもいい雰囲気で回れた」。ティーグラウンドに立つまでは「どういう気持ちになるのか」と不安もよぎったが、持ち前の「自分と向き合う力」で弱い気持ちを吹き飛ばした。

 10番スタートの11番をボギーとしたが、14番で約2・5メートルのパーパットを真ん中から決めるなど、我慢のゴルフを続けた。「16番ぐらいから、そろそろバーディーがほしい、と気持ちを切り替えた」

 エンジンをかけた17番(パー5)でラインを読み切り、6メートルのバーディーパットを沈めた。互いに「負けないぞ」と鼓舞し合う上田と「同じタイミングで『そろそろスパートだ』と思っていた」と笑う。

 その後も2番、4番とバーディーを奪う。9番で最後のパットを沈めた瞬間、拍手や歓声、指笛が鳴り響いた。宮里は大観衆に感謝し、「泥くさく、自分らしいゴルフができれば結果はついてくる」と述べ、最終日の“藍スマイル”へ、手応え十分だ。(崎原有希)