【南風原】「こんにちは!」。約15年前から月2回、地域見守り隊として南風原町津嘉山区内の道をパトロールする津嘉山老人会地域見守り隊に、児童らが大きな声であいさつする。パトロールは低学年児童の下校時間に合わせ、午後3時から4時まで。蛍光色のベストと帽子を身に着け、通学路の危険箇所や不審者に目を光らせる見守り隊の活動に、地域からも「安心だ」の声が上がっている。
老人会の幹部は年齢で毎年交代する。今年は1949年生まれが中心だ。新垣鶴栄会長(67)は「忘れたころに声掛け事案は発生する。パトロールする姿を地域で見てもらうことも大切だ」と話す。与那原署や与那原地区防犯協会から表彰を受けたこともある。
幹部になる年齢の前から参加する人もいるが、天願利江さん(67)は今年から参加し始めた。「『最初はなぜ夏の暑いときに』と思ったが、事件・事故に巻き込まれる低学年が多いと知り、とても大事だと思うようになった」と変化を語る。「みんな自分の孫のように感じている」と目を細める。
ほとんどが津嘉山生まれの津嘉山育ち。見守り隊となることで互いの親睦も深まり、1時間のウオーキングをするため健康になるという。仲里盛雄さん(68)は「危険箇所を見つけると、必ず役場に報告する。僕らの健康にもいい」と笑顔を見せる。
開発が進み、南風原町内で最も人口が多い津嘉山区。子どもたちの安全を見守る「地域の目」として、老人会の活躍は続きそうだ。(半嶺わかな)