児童の安全 地域で守る 津嘉山老人会 下校時の巡回、15年


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おそろいの蛍光色のベストと帽子を身に着けた津嘉山老人会と地域見守り隊=5月26日、南風原町津嘉山

 【南風原】「こんにちは!」。約15年前から月2回、地域見守り隊として南風原町津嘉山区内の道をパトロールする津嘉山老人会地域見守り隊に、児童らが大きな声であいさつする。パトロールは低学年児童の下校時間に合わせ、午後3時から4時まで。蛍光色のベストと帽子を身に着け、通学路の危険箇所や不審者に目を光らせる見守り隊の活動に、地域からも「安心だ」の声が上がっている。

 老人会の幹部は年齢で毎年交代する。今年は1949年生まれが中心だ。新垣鶴栄会長(67)は「忘れたころに声掛け事案は発生する。パトロールする姿を地域で見てもらうことも大切だ」と話す。与那原署や与那原地区防犯協会から表彰を受けたこともある。

 幹部になる年齢の前から参加する人もいるが、天願利江さん(67)は今年から参加し始めた。「『最初はなぜ夏の暑いときに』と思ったが、事件・事故に巻き込まれる低学年が多いと知り、とても大事だと思うようになった」と変化を語る。「みんな自分の孫のように感じている」と目を細める。

 ほとんどが津嘉山生まれの津嘉山育ち。見守り隊となることで互いの親睦も深まり、1時間のウオーキングをするため健康になるという。仲里盛雄さん(68)は「危険箇所を見つけると、必ず役場に報告する。僕らの健康にもいい」と笑顔を見せる。

 開発が進み、南風原町内で最も人口が多い津嘉山区。子どもたちの安全を見守る「地域の目」として、老人会の活躍は続きそうだ。(半嶺わかな)