「美ら海まぐろ」出荷量最高 16年度1670トン 漁業者、鮮度管理を意識


この記事を書いた人 平良 正
沖縄美ら海まぐろの出荷量増加とイベントをPRする(左から)平安名盛正水産課長、沖縄鮮魚卸流通協同組合の国吉斉理事長、島尻勝広農林水産部長=13日、県庁

 全国4位のマグロ水揚げ量を誇る沖縄産品のうち、鮮度が高いマグロを仲買人らが認定するブランド「沖縄美ら海まぐろ」の出荷量が伸びている。県のまとめによると、2016年度(16年4月~17年2月)の出荷量は前年比24・7%増の1670トンとなり、ブランド制度を始めた11年以降で最高となった。ブランドの認知度の高まりとともに、漁業者に水揚げ直後から鮮度を管理する意識が高まっているという。

 沖縄美ら海まぐろは流通業者でつくる沖縄鮮魚卸流通協同組合を中心に運用している。沖縄に水揚げされたマグロ類のうち、はえ縄やパヤオで一本釣りしたもので、釣った直後に血抜きをするなど船上から鮮度が高い状態で保存されたものが条件だ。

 仲買人が目利きして鮮度や色、つや、脂の乗りがいいと判断した天然生鮮マグロや、刺し身パックにロゴマークを貼り付けて販売している。

 県産マグロは冷凍していない生鮮流通が多いのが特徴で、鮮度維持策が重要な役割を担っている。

 同ブランドの認定を受けたマグロの出荷量は2011年度の制度開始以降、順調に増加している。マグロ類の水揚げ量が最も多い那覇市の泊魚市場では2016年度のマグロ類の水揚げ量5753トンのうち、29・03%を美ら海まぐろが占めた。14年度産に比べ約9ポイント高まっている。

 沖縄鮮魚卸流通協同組合の国吉斉理事長は「流通量が増え、消費者も手に取りやすくなっていると思う。丁寧に処理されているものはわれわれも高く買える。生産者の鮮度意識の高まりは所得向上にもつながる」と期待を語る。

 県の平安名盛正水産課長は「関係団体と連携し、沖縄美ら海まぐろのブランド化と消費拡大を進めたい」と思いを語った。

 クロマグロが旬を迎える中、那覇市の鮮魚卸流通協同組合泊いゆまちでは「第12回泊いゆまち父の日お魚フェア~本マグロ祭り」を17、18日の両日、那覇市の泊いゆまちで開く。問い合わせは泊いゆまち(電話)098(868)1096。