米軍は14日午後7時半から9時半まで、米軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施することを米連邦航空局の航空情報(ノータム)のホームページで発表した。嘉手納基地の第18航空団が12日、関係自治体などに訓練を通知していた。通知を受け、嘉手納町、沖縄市、北谷町で構成する米軍嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)や県、国は13日までに訓練中止を求めた。米軍が訓練を強行すれば、3カ月連続となり、ますます反発が広がるのは必至だ。
三連協は13日、第18航空団と沖縄防衛局に対し「嘉手納基地周辺住民が静かで安心安全な暮らしを願う思いを踏みにじるものであり、容認できない」として、SACO合意の順守と降下訓練の中止を求めた。三連協は5月23日にも嘉手納基地に抗議している。
県は13日、基地対策課長名で外務省沖縄事務所、沖縄防衛局に口頭で要請。「訓練が実施されれば、地元などによる中止要請や抗議を無視する形で誠に遺憾だ」とし、嘉手納基地で訓練を実施しないよう強く求めた。
稲田朋美防衛相は13日の閣議後会見で、14日の降下訓練が「現時点で例外に当たるとは判断していない」と指摘した。その上で、訓練が実施されれば「大変遺憾なことだ」と批判し、訓練をやめるよう求めたとした。
米軍は12日に沖縄防衛局に対し「気象、海象の状況により伊江島補助飛行場で実施できない可能性がある」とし、嘉手納基地で実施する意向を説明していた。
米軍は嘉手納町など地元自治体や県が中止を求める中、4月と5月にパラシュート降下訓練を強行した。5月の訓練では初めて夜間での訓練実施が確認され、「より危険性が高い」などと反発が強まった。