「ここに誓おう。私は、私達は、この国は、この世界は、きっと愛おしい人を守り抜くことができる。この地から私達は、平和の使者になることができる」。慰霊の日の23日に糸満市摩文仁の平和祈念公園で開かれた「沖縄全戦没者追悼式」の会場に、上原愛音さん(17)=宮古高校3年=の朗々とした声が響く。不戦を貫く決意を込めた「誓い~私達のおばあに寄せて」と題した詩に、会場からは共感の拍手が湧いた。
何度も推敲(すいこう)を重ねた詩の内容は、しっかりと記憶していた。「多くの人と目を合わせたかった」と、ほとんど原稿に目を落とさず、顔を上げて会場に集まった4900人に語り掛けた。合唱団で鍛えた張りのある声に乗せて戦没者を意味する「おばあ」と「おじい」に向け、戦争の悲惨さを語り継ぎ平和を発信することを誓った。
「戦没者や戦争体験者、そして世界中の1人でも多くの人に届いてほしい」と願いを込めた5分あまりの朗読を終え、達成感をにじませた。戦争体験を継承していく若い世代として「平和学習では、目をそらしたくなる場面や耳をふさぎたくなる場面もたくさんある。でも、そこから逃げてはいけない」と、事実と向かい合う覚悟を口にした。