最高賞に前田さん 島田氏顕彰の俳句会


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プレ「島守忌」俳句大会で最高位の天賞を受賞し、表彰状を受け取る前田貴美子さん=25日、那覇市松尾

 沖縄戦当時の県知事・島田叡(あきら)氏の顕彰事業に取り組む「島田叡氏事跡顕彰期成会」(嘉数昇明会長)は25日、平和への願いを発信する「島守忌」俳句大会を那覇市松尾の城岳同窓会館で開いた。栃木県など県内外の96人から計322句が寄せられ、最高位の「天賞」に那覇市の前田貴美子さん(70)の作品が選ばれた。同期成会は今回を「プレ大会」と位置付け、来年以降、短歌や高校生の部を設けるなどして本格化させる方針だ。

 島田氏は神戸市出身で、沖縄県最後の官選知事。県警察部長だった荒井退造氏(宇都宮市出身)と共に住民疎開に尽力したことで知られ「沖縄の島守」と呼ばれる。同期成会は、2人が糸満市摩文仁で消息を絶ったとされる6月26日近くに「島守忌」を設け「島守忌」を季語とした俳句を募集していた。

 県内65人、県外31人の計96人の応募があり、高校生6人を含む29人が栃木県在住だった。

 「琉球俳壇」選者の太田幸子さんら6人が選考委員となり「天賞」(1人)、「地賞」(2人)、「人賞」(3人)を選んだ。天賞の前田さんの作品は「島田忌の 蝶へひとすぢ 海の青」。選考委員を代表して太田さんは「島田さんの生き方が鮮烈に青で表現されている」と評した。

 島田叡氏事跡顕彰期成会の嘉数会長は「予想以上に大きな反響があり、手応えを感じた。島守忌を季語として定着させ、島田さんの足跡を広く伝えたい」と話した。「本大会」となる来年は6月中旬を予定している。

 天賞以外の受賞者は次の通り。(敬称略)

▽地賞=金城真理子(宜野湾市)、小橋啓生(西原町)

▽人賞=たみなと光(那覇市)、松島季風(同)、與儀勇(同)