三越跡・ハピナハ30日閉店 再開発めど付かず 売上高低迷、国際通りに影響


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
6月30日で閉館となる観光エンターテインメント施設「HAPINAHA」=那覇市牧志

 旧沖縄三越百貨店跡(那覇市牧志)の観光エンターテインメント施設「HAPINAHA(ハピナハ)」が、30日の閉店まで28日で残り3日となった。運営するリウボウ商事では、跡地の再開発事業に向けた那覇市や地権者との協議が当初の想定より長引いていることから、建物は取り壊さず、再開発のめどが付くまで閉館したまま空き店舗とする。

 入居施設のうち、吉本興業の芸人が出演する常設劇場「よしもと沖縄花月」は那覇市内の別の場所で継続する見通しだが、「沖縄おもろおばけ屋敷」は6月いっぱいで終了する。訪日外国人にも人気のある「ポケモンストア」は17日にデパートリウボウに移転した。ハピナハの約40人の従業員の大半は、7月14日に那覇市古島に開業するリウボウストアの新店舗「古島マルシェ」に転籍する。

 国際通りの中心に位置する沖縄三越百貨店が2014年9月に閉店したことを受け、リウボウホールディングスが従業員の雇用継続など事業再生の受け皿として名乗りを上げた。地域経済活性化支援機構の支援を受けて新会社「リウボウ商事」(糸数剛一社長)を発足させ、沖縄三越が運営していた那覇空港店と豊崎マイキッチン(豊見城市)、那覇市国際通りのJALコーチショップの3事業を引き継いだ。

 15年3月には沖縄三越の百貨店跡を「ハピナハ」として新装開店し、地権者との賃貸契約期限である17年6月30日までの期間限定事業として展開していた。

 しかし、ハピナハは15年3月の売上高が5200万円で経常損失は3400万円、同4月が売上高4400万円で経常損失1200万円など、毎月の赤字が続いていた。空港売店などを合わせたリウボウ商事の17年2月期決算も、売上高23億2300万円に対し経常損益は2億3700万円の赤字。設立からの累積赤字は6億8800万円となっている。

 もともと期間限定ではあったが、再開発計画の着手が予定より遅れても、売上高が年間5億円ほどと計画の3分の1に低迷したことで6月閉店は変更しない判断になった。

 リウボウ商事の砂川秀男常務は「最初は物珍しさで地元の人も来ていたがリピートせず、インバウンドが中心になった。沖縄三越の引き継ぎは国際通りの活性化という社会貢献があるが、せめて収支ゼロでないとこれ以上の経営負担は厳しい」と語る。

 那覇市国際通り商店街振興組合連合会の上原善明会長は「国際通りの『へそ』の場所であり、シャッターが閉まると通り全体に大きい影響がある」と語り、那覇市にも対応を求めていく考えを示した。