地図作製や非常食開発も 那覇商高・久米自治会、防災で連携


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
避難訓練で久米自治会の住民らを誘導する那覇商業高校の生徒ら=1日、那覇市の県立那覇商業高校

 沖縄県立那覇商業高校の生徒商業研究部(知念穏希(やすき)部長)は、那覇市久米自治会と連携し、地震や津波などの災害に備えた防災マップ作りや非常食の開発などに取り組んでいる。非常食は長期の保存が可能なちんすこうやパンなどを模索中だ。きっかけは、東日本大震災で被災後、小学5年生の時に沖縄へ移り住んだ同校3年の熊谷晴希さんが自身の経験を基に提案したことだ。熊谷さんは「6年が経過したが、震災を忘れず災害に備えたい」と思いを語る。

 1日には、生徒商業研究部の生徒約20人と久米自治会の住民約20人が参加し、那覇市から津波一時避難施設に指定されている同校への避難訓練も初めて実施。地震が発生し大津波警報が発表されたとの想定で、生徒が住民らを校内へ誘導し、階段で4階まで案内し避難者名簿も作成した。

 避難訓練の後、東日本大震災の際に岩手県陸前高田市に住んでいた熊谷さんが被災した当時の状況を報告した。熊谷さんは、津波が発生した際には高台へ避難し「海に面した家や車が簡単に流されていくのを見ているだけだった」と振り返った。

 熊谷さんは「自然災害を甘く見てはいけない。まず自分の命から守ることが大切。どんな状況でも冷静に物事を判断することや常識にとらわれないことも心掛けてほしい」と呼び掛けた。久米自治会の島袋栄子会長も「実体験を聞けたことは大きい。命を守るために続けていきたい」と話し、生徒たちと連携した取り組みを続けたい考えを示した。

 同部の生徒らは防災に関する取り組みをまとめ、6日に名桜大学で開かれる県高校生徒商業研究発表大会で発表する。