辺野古の警備受託会社、海保が捜査 燃料を海中廃棄の疑い


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
新基地建設作業に対する抗議が続く沖縄県名護市辺野古の海=6月上旬

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に伴う新基地建設計画で、現場海域の警備業務を請け負う警備会社が警備艇内に漏れた燃料を海に廃棄していたとされる件について、第11管区海上保安本部が捜査に着手したことが分かった。

 11管中城海上保安本部が3日、本紙の取材に対し「関係者の聞き取りなど捜査を開始している」と回答した。燃料の海中廃棄の事実が確認された場合は「海洋汚染等および海上災害の防止に関する法律(通称・海防法)」に抵触する可能性があるとしている。警備会社は「コメントを差し控えたい」と回答した。

 警備会社が燃料を海に廃棄していた可能性があることは6月末、同社の従業員が業務改善を求めるため沖縄防衛局を訪れて要望した際に「船長の指示で警備艇の燃料タンクから漏れて船底にたまった軽油を海上に廃棄させられた」と証言し、明らかになった。

 従業員は「2月から4月にかけて約数十リットルの軽油を辺野古沖の長島付近で捨てた」と話している。

 警備業務を同社に委託している沖縄防衛局は、同社が警備艇から軽油を海上に廃棄していた疑いがあることについて「現在、同社の報告を待っている状況だ」とし、局として回答できる状態にないとした。