MICE効果は年603億円 開業6年目に採算確保 県推計


この記事を書いた人 平良 正

 沖縄県は11日までに、西原町と与那原町にまたがる中城湾港マリンタウン地区に整備する大型MICE施設の目標値需要推計と経済波及効果をまとめた。需要推計によると、開業6年目で運営業者が自己収支で採算を確保できると見込んでいる。経済波及効果はMICE施設建設で781億円、周辺ホテル建設で720億円、関連する道路整備で2106億円、施設整備全体で計3607億円を見込む。大型MICE施設運営や周辺ホテル宿泊などによる波及効果は毎年603億円に上ると試算している。

 政府が施設の採算性などで難色を示し、施設整備に必要な一括交付金の交付決定が遅れているが、県は需要推計などを国に提示し、早期の交付を求める。

 推計と波及効果は、県内企業への聞き取りやMICE関連の参加者数などの統計を基に算出した。

 県の収支計算では、開業12年目で千人以上の催事件数を164件と設定し、6年目からは採算を確保できるとみている。県は見本市や展示会に比べ、誘致と設営が短期間で可能な大型コンサートを積極的に誘致することで採算性を高めることも可能としている。

 県はMICE施設を運営する対価として、事業者に支払う指定管理料を12年契約で年平均1億5300万円、計18億4千万円を上限として設定している。催事需要を低く見積もっても開業13年目以降に採算性確保は可能となる。収支状況によっては指定管理料の減額や、県への利益還元の仕組みを設ける。