ANA、那覇の国際ハブ縮小へ 効率化で今秋にも


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外山俊明ANAカーゴ社長

 ANAカーゴ(東京)の外山俊明社長は18日、沖縄を訪問し、那覇空港を拠点とした国際貨物事業について、減少を含め路線見直しに着手する方針を沖縄県に伝えた。

那覇空港を中継して国内とアジアの主要都市の貨物を流通させるハブ機能は引き続き維持しながら、沖縄を経由する必要のない貨物が多い路線の再編など効率化を図り、県と連携して沖縄発着貨物を増強する対策を進める。

 2016年に就任した外山社長は、17年度中に全日空の貨物事業を黒字化することを掲げている。10月末からの下期ダイヤ改編に向けて、貨物専用機の路線見直しなどを検討する。外山社長は18日午後に県庁で富川盛武副知事と面談し、今後の取り組みなどで意見交換した。

 那覇空港を拠点としたANAの国際貨物事業は09年に始まり、現在は国内線で4空港、国際線で9空港に路線を展開している。

 面談後、琉球新報社の取材に外山社長は「沖縄の貨物事業は物流は増えて推移しているが、収支では足りない部分もある。スタート以来立て続けに拡大してきたが、必要な施策を講じる」と路線の見直しを検討する背景を語った。

 一方で「沖縄から出る貨物や企業、陸送業者に影響は出さない形で、われわれの見通しの甘かった部分を整理する」と述べ、事業基盤を強化して今後の物量を増やす取り組みの一環と強調した。