就学援助の利用49% 「申請は簡単、活用を」 北谷町ひとり親家庭調査


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 【北谷】北谷町子ども家庭課は18日、町独自の子どもの貧困に関するアンケート結果を公表した。アンケートは経済的に厳しいとされるひとり親家庭の生活実態把握を目的に、町の児童扶養手当受給者と母子・父子家庭等医療費助成の受給者607人を対象に昨年7月から8月に実施、515人から回答を得た。就学援助の利用が半数以下にとどまり、子の大学までの進学を希望する親のうち約30%が「経済的に不可能」と考えている実態が明らかになった。

 修学旅行費など学校に必要な費用を一部補助する就学援助制度について「利用している」が253人(49・1%)にとどまり、「利用していない」「わからない」が計196人(38%)に上った。また、就学援助制度利用者の52・5%にあたる133人が「学校にかかる費用に少し足りない(78人)、足りない(55人)」と回答した。

 就学援助を所管する町教育委員会は利用者が半数に満たない要因に、周囲の目を気にするなど「本人の意思」もあるとみる。

 担当者は「申請は学校と町役場で行え、申請作業も5分程度で終わる。ぜひ、活用してもらいたい」と利用を呼び掛けている。就学援助受給率は現在21%で、町は2021年度までに25%にすることを目標にし、周知に力を入れている。

 また、「子どもにどの段階までの教育を受けさせたいか(複数回答)」の質問では、306人が「大学まで教育を受けさせたい」とし、その内94人が「経済的に不可能」と回答した。「1人親家庭で一番必要なもの」には「学校教育にかかる費用の助成・免除」(121人、23・4%)が選ばれ、「家賃補助」(74人、14・3%)、「児童扶養手当などの現金給付の増額」(56人、10・8%)と続いた。

 「過去1年に経済的理由から支払いできなかったことや遅れがあるか」の質問では、「公共料金の滞納経験がある」との回答が121人(23・4%)。「家族が必要とする食料を買えなかった」としたのが44人(8・5%)だった。

 与儀司子ども家庭課長は「結果を各課の実務者と共有し、実効性ある対策を立てたい」と話した。

 自由記述欄では「経済的理由で進学を諦めることがないよう奨学金制度を充実させてほしい」「仕事の契約更新にあたり、子どもとの時間と収入のどちらを取るか悩み不安になる」などの声が上がった。