患者情報を一元管理 病院向け新システムを開発 カタリスト(那覇)


この記事を書いた人 大森 茂夫
予約受付システム「まとめてクリニック」を開発したカタリストの小田川元樹社長=20日、琉球新報社

 システム開発のカタリスト(沖縄県那覇市、小田川元樹社長)はこのほど、病院の予約情報や診療点数を管理するコンピューターの情報を同じ画面で確認できる予約受付システム「まとめてクリニック」を開発した。従来、患者の予約情報や保険証情報などはそれぞれのパソコンで管理され、患者情報の確認方法が一元化されていなかった。同社は、今後電子カルテなども同システムに取り入れるなど、病院業務のさらなる効率化を図る。

 現在、大阪府の不妊治療関係病院が同システムを活用し、9月に同府の産婦人科関係病院にも導入する予定。2019年までに30病院での導入を目指す。

 「まとめてクリニック」はアプリケーションとして無料でダウンロードも可能で、患者がアプリを通して病院の予約をしたり、エコー動画などの画像が見られたりする。今後、病院の待合室で診察を待つ患者の呼び出し機能なども加え、名前で呼び出されるストレスの解消を図る。

 小田川社長によると、予約情報と診療点数を管理するコンピューターをつなぐ既存のシステムはあるが、導入費用が高いため、利用は少ないという。カタリストは開発を外部に依頼せず、自社で手掛けるなどコストを削減し、既存のシステムと比べ約半額で導入できる。

 同社は県産業振興公社の「2017年度ベンチャー企業スタートアップ支援事業」に採択され、今後ハンズオン支援などを活用し、県内での販路も開拓する。

 小田川社長は「予約状況や診察券状況などが同じ画面で見られることで、病院の業務サポートにもなる。病院にとって潜在的な需要となる。今後県外に限らず、県内の販路も開拓していきたい」と述べた。(呉俐君)